申請資格
    
資格認定に関する事項 救急撮影認定技師の資格について
(申請資格) 申請資格は以下のすべての要件を満たさなければならない。
(1)診療放射線技師歴 診療放射線技師免許保持者であり、5年以上の診療経験を有すること。
(2)救急診療の経験 通算3年以上救急診療業務に携わっている者。
(3)学術・研修成果 申請時からさかのぼって5年以内に別に定める認定単位を30単位以上取得している者。
(4)本申請時から過去1年間に一度は心肺蘇生法講習会を受講していること。ただし申請者の所有する心肺蘇生法講習会受講証が、申請時において有効期間内である場合はこれを免除する。
更新資格認定更新に関する事項 (更新) 救急撮影認定技師認定の更新は5年に一度行うこと。
(更新資格)
(1)更新申請時において、救急撮影認定技師であること。
(2)更新申請時、過去5年間において、別表単位表から救急撮影認定技師では30単位を取得していること。
(3)更新申請時、過去5年間に構成4団体のいずれかの全国規模の学術大会に1回以上出席していること(第76回日本放射線技術学会・学術大会のweb参加含む)。 
 第72回~第75回日本放射線技術学会総会・学術大会のweb参加では、課題レポートを3題提出すること。
(4)更新申請時において過去5年間に本機構が主催する講習会に1回以上参加していること。
(5)(2),(4)の要件を満たしていなくても後日証明書類を提出することにより、更新の申請を認める。                    
認定時実地研修 認定試験に合格したものは、1年以内に所定の実地研修を受け、その後提出したレポートを査読合格ののち救急撮影認定技師として登録される。
所定の実地研修
機構指定の施設における実地研修:2日間
本人勤務施設における研修:8日以上
前記各実地研修が終了後、規定のレポートを提出する。
認定に必要な知識救急撮影認定技師に必要な知識および技術は、次の各要素から成り立っている。
(1)救急診療に用いる各種画像診断機器を円滑に操作できる。
(2)救急診療を実施するチームにおいて、診療を理解し、情報を共有できる。
(3)救急診療における各種の危険性を理解し、安全かつ効率的に検査を実施できる。
(4)経験した症例から得られた知識を共有し、検討を加え、スタッフに対し継続的に技術指導を行える.

認定に向けた学習項目

1. 内因性疾患患者の診療指針
救急医学概論 脳卒中の診療指針と求める画像情報
脳卒中と治療の適応
急性期呼吸器疾患の診療指針と求める画像情報
急性期呼吸器疾患と治療の基礎
急性期心・循環器疾患の診断指針と求める画像情報
急性期心・循環器疾患と治療の基礎
急性期腹部救急疾患の診断指針と求める画像情報
急性期腹部疾患と治療の基礎
中毒患者の診療と画像情報
感染症患者の診療と画像情報
2. 外傷患者診療指針(JATEC)とトリアージの概念
頭部,頸椎・頚髄外傷患者に対する画像診断の適応と画像所見
治療方針とその判断基準
胸部・心外傷患者に対する画像診断の適応と所見
治療方針とその判断基準
腹部・骨盤外傷患者に対する画像診断の適応と所見
治療方針とその判断基準
四肢外傷患者に対する画像診断の適応と所見
治療方針とその判断基準
3. 救急画像診断概論
急性期疾患画像診断の注意点
特徴的な画像所見と注意点
内因性疾患の画像診断におけるポイント
各種モダリティ適応の基準とその感度
外傷患者の画像診断におけるポイント
各種モダリティ適応の基準とその感度
急性期疾患において注意すべきアーチファクト
4. 内因性疾患の診療における撮影の実際
内因性疾患の診療における撮影の実際
脳卒中,脳脊髄疾患撮影の基本
脳卒中の症状と撮影の注意点
脳卒中所見と各モダリティの特性
潅流イメージングの基礎とその適応
呼吸器系疾患撮影の基本
呼吸器疾患患者の症状と撮影の注意点
呼吸器疾患所見と各モダリティの特性
心・循環器系疾患撮影の基本
心・循環器疾患患者の症状と撮影の注意点
心・循環器疾患所見と各モダリティの特性
腹部救急疾患撮影の基本
腹部救急疾患患者の症状と撮影の注意点
腹部救急疾患所見と各モダリティの特性
その他の救急疾患撮影
中毒患者の撮影と注意点
感染症患者の撮影と注意点
小児撮影の基本
小児患者撮影の注意点
小児疾患に対する各種モダリティの特性
5. 外傷診療における撮影の実際
外傷患者撮影の基礎
外傷患者の初期診療と画像診断の関係
Primary surveyにおける撮影の特徴と注意点
Secondary surveyにおける撮影の特徴と注意点
頭部,脊椎・脊髄外傷患者撮影の基本と対応の注意点
胸部・心外傷患者撮影の基本と対応の注意点
腹部・骨盤外傷患者撮影の基本と対応の注意点
四肢外傷患者撮影の基本と対応の注意点
6.救急患者対応の基礎
初期診療の手順,受傷機転の判断, 重症度評価, 救急医療で扱う各種データに関する知識(理学所見、バイタルサイン), 検査データ, 損傷分類, 疾病分類, 各種ガイドライン
7.代表的な内因性疾患の画像認識
くも膜下出血,脳出血,脳梗塞,脳動静脈奇形,モヤモヤ病,髄膜炎,脳炎,脳腫瘍,脳膿瘍,てんかん 呼吸不全,気管支喘息,肺炎,肺血栓塞栓症,慢性閉塞性肺疾患,自然気胸,肺結核 心不全,虚血性心疾患,急性冠症候群,急性大動脈解離,鬱血性心不全,閉塞性動脈硬化症 上部消化管出血,下部消化管出血,食道静脈瘤破裂,胃・十二指腸潰瘍,消化管穿孔,急性腹膜炎,イレウス,ヘルニア,急性虫垂炎,憩室炎,腸間膜動脈閉塞症,胆道感染症,胆石症,膵炎
8.代表的な外傷性疾患の画像認
脳浮腫,頭蓋内圧亢進,脳ヘルニア,急性硬膜外血腫,急性硬膜下血腫,外傷性くも膜下出血,びまん性軸索損傷,髄液漏,吹き抜け骨折,顔面骨骨折,異物,頸動脈海綿静脈洞瘻,髄膜炎,尿崩症,脳低温療法,椎体脱臼,椎体骨折,椎弓骨折,脊髄損傷 気胸,血胸,大動脈損傷,肺挫傷,肋骨骨折(フレイルチェスト),縦隔気腫,横隔膜損傷,心タンポナーデ,気管・気管支損傷 鈍的外傷,鋭的外傷,実質臓器損傷,管腔臓器損傷,消化管穿孔,腸管脱出,腹部コンパートメント症候群,安定型骨盤損傷,不安定型骨盤損傷,TAE,尿路損傷,後腹膜出血 脂肪塞栓症,骨折,出血,開放性骨折,閉鎖性骨折,脱臼,四肢轢断
9.救急診療における安全管理
救急患者の安全な取り扱い
患者取り扱いの基本(バックボード上での撮影)
二次損傷の原因とその症状,および発生の防止
患者急変時対応の基礎
心肺蘇生法
感染対策
薬剤副作用に関する知識
撮影室に必要な備品と生体モニタに関する知識
救急診療における医療情報管理