相澤病院  牧野 泰行(一般撮影) 深澤 大樹(MRI) 原 和也(CT) 水口 功一(血管造影) 

当院のERは、重症の救急患者さんに限らず、軽症から重症まで全ての救急患者さんを受け入れる「北米型ERシステム」を採用しています。北米型ERシステムの特徴は、24時間365日すべての救急患者さんを受け入れるところです。まず幅広い分野の診療ができる救急科専門医によって、初期診療がおこなわれ、必要に応じて各診療科の専門医に診療依頼をするという仕組みで運営されています。いつでも対応可能な体制を整えているため、夜間でも専門的な診療や手術をおこなうことが可能です。また当院は、地域災害拠点病院の指定を受け、DMATの被災地への出動も含め、災害時の医療救護活動にも力を入れて取り組んでいます。

救急初療室

救急撮影室のストレッチャーはどのようなものですか?

救急患者さんのトリアージを行い、重症度(赤→黄→緑)に合わせて初療室を選択しています。重症度の高い赤部屋は移動しながらの観察が可能なストレッチャータイプを使用しています。比較的重症度の低い黄部屋・緑部屋は経過観察を行うためベッドを使用しています。他、患者さんの搬送と同時に体重計測が可能なストレッチャーを配置し、静注血栓溶解(rt-PA)投与に素早く対応しています。

PARAMOUNT BED Kシリーズ ストレッチャー ×9台

A&D Medical社 ストレッチャースケール AD-6051A ×1台

生体モニターと呼吸器はどのような機種を使用していますか?

生体モニター:フクダ電子 ダイナスコープ7000シリーズ DS-7210

除細動器:日本光電 デフィブリデータTEC-5600シリーズ カルジオライフ

人口呼吸器:フクダ電子 汎用人口呼吸器サーボベンチレータシステム Servo Adult

超音波:GEヘルスケア 汎用超音波画像診断装置 LOGIQ P9

初療室はどのように対応していますか?

初療室には固定式X線発生装置がないため、Primary SurveyでのX線撮影時は回診用X線撮影システムで対応しています。モバイル機能を有するフラットパネルシステムを2つ有するため、病棟回診時やCovid-19撮影時でも、救急外来依頼の撮影に迅速に対応することが可能です。院内は無線LAN環境が整備されており、ベットサイドでの画像送信・追加撮影の対応も可能になっています。

回診用X線撮影装置:島津社製 Mobile Art Evolution MX8 Version

受像系:Fuji Film社 DR CALNEO Flow

    Fuji Film社 DR CALNEO Smart C47

一般撮影装置はどのような装置ですか?

econdary SurveyでのX線撮影は放射線科一般撮影室で行います。FijiFilm社製のフラットパネルを1管球2パネル方式で用いており、独歩・ストレッチャー上での撮影すべてに対応することが可能です。災害時等、モニター診断が制限された場合を想定し、フィルム出力ができるようドライイメージャーを設置しています。

X線管球高電圧発生装置:島津社製 UD150L-40

フラットパネルシステム:Fuji Film社 DR CALNEO Smart C47

ドライイメージャー:Fuji Film 社 DRYPIX700

CT室

CT装置は何ですか?(救急でよく使う機種)

CANON Aquilion One GENESIS Edition 320列

当院のCT装置はAI技術を用いて従来より放射線被ばくを抑え、低線量化しても空間分解能が向上し大幅なノイズ低減効果が得られます。また造影剤使用量の低減も行い患者さんにとってより負担が少ないよう心がけています。 当院では、緊急性の高い心臓、脳疾患に対して夜間でも冠動脈CTや頭部CT-Angio Perfusionを撮影するため迅速にかつ高精度の検査ができるよう勤務体制を整えています。

どのようなワークステーションを使用していますか?

ZioSTATION2

主に3D構築に使用しています。救急外来の依頼では骨折部の3D作成の依頼が多いです。脳血管の4Dや3Dの作成、その他大血管の3D作成も行っています。血管撮影室の装置とも接続されているため血管造影を行った3D画像の作成も行います。

Vitrea

DualEnergy やCT-Perfusionなどの解析にVitreaを使用しています。急性期脳梗塞では虚血部のうちペナンブラ領域とコア領域の推定ができるため治療方針の決定に役立てています。

これらワークステーションでの画像再構成にはマニュアルを作成して誰でも短時間で解析が行えるよう体制を整えています。

血管造影室

どのような血管撮影装置を使用していますか。

血管撮影室1 Canon社製 Alphenx  INFX-8000C シングルプレーン

血管撮影室2 Philips社製 Allura Xper FD20/10(Clarity Ver.up)バイプレーン

シングルプレーンでは腹部領域に使用し、バイプレーンでは心臓領域、頭頚部領域に使用しています。来院から治療までの時間を少しでも早くするために、緊急PCIと緊急脳血管治療を同時に行う事も多いです。

その他

腹部領域では外傷性動脈塞栓術時、出血箇所の責任血管抽出のために手術支援ナビゲーション(Embolization plan)を使用しています。次に心臓領域ではステント留置時の位置確認、連続してステントを留置する際の視認性の向上にStent Boost 機能を使用しています。最後に、頭部領域では術中急変時にコーンビームCT を撮影することにより、CT室に移動することなく脳出血の判別ができます。

MRI撮影室

MRI装置は何を使用していますか?

MAGNETOM Avanto 1.5T(SIMENS)

MAGNETOM Avanto Fit 1.5T(SIMENS)

SIGNA Pioneer 3T(GE)

その他

急性期脳梗塞に対して、rt-PAや血栓回収療法を迅速に行えるように、頭部CTからではなくMRIを始めに撮像するMR firstの運用を行うことで、発症から診断、治療まで最短時間で行えるように努めています。 また、緊急を伴う症例においては、最重要シーケンスは何か考え撮像し、必要な画像所見を得ることで患者さんのための医療を提供しています。

スタッフ

救急担当者は何名ですか?

夜間は当直2名、遅番1名で対応し、必要に応じて血管造影待機1名、MRI待機1名で対応しています。